マジックのタネ明かしについて、あなたはどのような意見をお持ちですか?
最近ではYouTubeでマジックの種明かし動画がたくさん出回っていますが、どこの馬の骨かもわからないような素人が解説したものばかりで全然正確な技法のやり方を学べませんね。
仮に技術を学べたとしても、面白いトーク力を身に着けなければマジシャンとしてお客さんから称賛されることはないため、使い物になりません。
少しさかのぼりますが、2001~2004年ごろ、某有名マジシャンによるマジックのタネ明かしがテレビ放送されました。
その件について、そのマジシャンは、「もうタネ明かしはしません」と誓ったようです。
日本奇術協会から何かしらアクションがあったに違いありません。
そのせいで、今ではマジックのタネ明かし番組はほとんどなくなりました。
また、同じ時期に、マスクマジシャンという覆面マジシャンがマジックのタネ明かし番組を世界中でテレビ放映し、問題になっています。
彼は、「マジックは、タネ明かしすることによって進化する」と言いながらタネ明かしをしまくっていたわけですが、世界的なマジック団体によって、ショービジネス界から追放されたそうです。
そして、2006年には、日本最大級のマジックショップのオーナーやマジシャンなど計4人が、貨幣損傷等取締法違反の疑いで逮捕されました。
100円玉や500円玉を違法に加工し、マジック用品として販売していたからです。
マジックのために加工が施されたコインを、ギミックコインと言いますが、上に挙げたマジックショップの顧客には、某有名プロマジシャンなどもいたようです。
マジック界きっての大事件・・・テレビ局がこぞってこの事件を取り上げました。
そして、テレビ局がギミックコインを使ったマジックのタネ明かしを放送したのです。
これを受け、プロ・アマ含む47名が、テレビ局を告訴しました。
「手品用のコインは高価な上、練習や手順構成の考案など仕事に結び付くまで時間がかかるが、放送は一瞬で財産的価値を奪った」と述べ、テレビ局に、約190万円の損害賠償や謝罪放送を求め、訴えましたが、敗訴しています。
見る側にとっては、タネ明かしは面白いかもしれません。
しかし、マジシャンとして仕事をしているプロは、それで飯を食っているわけですから、タネ明かしなんてされたら大変です。
「あ、そのマジックのタネ知ってる!」と言われることほど、マジシャンにとって悲しいことは他にないのですから。